感傷大運動会。
電車から降りて、ホームを歩いてたら、前を学校帰りの小学生が1人歩いてたんです。
エスカレーターの手すりに寄りかかって、上を見てたんで、僕も見てみたら、空が高くて青くて、うろこ雲がやけに白浮きしてました。
台風一過の夏が戻ってきたような暑さが抜けて2日目くらい、湿度と風の温度が秋で、日差しは夏でって感じの天気ってすげーキモチイイよね。長袖と半袖、どっちでもいいやって感じの気温でさ。
そんな日にちょっと汗ばむくらいの散歩をしてると、乾燥とぶたくさの花粉で、顔にフェルトを押し当てられたみたいな感じ。
そんな感じで乾いた汗の匂いを嗅ぐと、運動会を思い出すんだよね。
運動。苦手なんだよね。体力無いし、そもそもデブだし。
だからさ、運動会嫌い(運動は好きだと思う(自意識が邪魔するけどね))だったんだよねー。徒競走じゃいっつもビリだし、そのくせ両親は仕事休みとってしっかり応援しにきてるし。恥ずかしいやら悔しいやら。悲しくなっちゃうんだよね。
だから前の日なんか、どうにか休むために風邪をひこうとして、もうそろそろ心もとない毛布を放り出して、服も脱いでパンツ一丁で寝てさ。
次の日、なんともないんだけどね。こーね、無駄に体は丈夫なのよ。とにかくそれでも親に気分が悪い。って嘘言ったら、1発でバレて、当たり前、さっさと学校行きなさい。なんて言われて半泣きで行ってたな。
もーなんか、昔のギャグ漫画だよね。
積もりだした落ち葉の匂いと、やけに冷たい土の匂いの中で食べたお弁当は美味しかった(唐揚げが好きだったな(保冷剤で冷たくなったやつ(唐揚げは冷たい方が美味しい派もいる)))けど。
組体操(今はやんないってホント?(結構危ないからね(しゃーないね)))って大体大トリじゃない?
その時にさ、上見ると(土台役(運動音痴でデブはそうなる))空が秋だからって馬鹿みたいに高くて。それ見ながら背中の下の小石がイテーなとか思ってた。
閉会式で優勝とか発表(採点方法は未だに謎(配点制?))してもあんまりピンとこないままで、その日は終わり。
なんか大した運動してないはずなのに、帰り道がやけに気だるくて、帰ってすぐ寝ようと思うんだけど、運動会の日って宿題ないから、結局友達と遊んでたな。
運動会、会社とかでやってるところもあるらしいけど、僕はもう2度と参加者にはならないんだろうな。
まー、別にいいんだけど。
運動会ってもうなんか、僕には概念みたいな感じなんだよね。記憶の中にしかないから、それは妄想ですって言われても否定できないのよね。賞状とかメダルとか貰ったことないし。
前を歩いてた小学生、多分だけど、低学年かな。高学年の下校時間には少し早かったからね。(名探偵)
そろそろ運動会の練習とかしてんのかしらね。
入場行進とかの練習ね。やっぱ双頭の鷲なのかな?
あの子、運動得意かな。得意だといいな。その方が楽しいだろうしね。みたいな。
双頭の鷲